年甲斐もなく無性になにかチャレンジしたくなるときってありませんか。ふつうの人からみたら奇人変人の部類に思われるかもしれませんがキックボードで旅がしたくなって、日本一大きな琵琶湖を一周するツーリングにいってきました。
そもそものきっかけは「キックボードは旅の道具としてすごく可能性がありそう。じゃあいちど本格的なツーリングを試してみよう」となって、どこかいいコースはないかと探してたんです。そこで目にとまったのが関西のサイクリストのあいだで人気の琵琶湖一周コース、通称ビワイチ。滋賀県もずいぶんとチカラをいれていてビワイチのスマホアプリなんかも作っていて、ビワイチの楽しみ方をPRしているみたいです。
いままでもドキドキ・ワクワクするチャンジ精神を満たしたくって淡路島一周、アワイチはなんどかランでチャレンジしたことがあるんですがビワイチはまだ未経験。びわこも初めてならキックボードでのロングツーリングもはじめてということで気持ちがアガります。
琵琶湖一周約200kmのキックボードツーリングは2泊3日の行程で予定を組みました。。ランニングならば夜どおし寝ずに走って一周するといったやり方もアリなんですが、キックボードは保安部品もついていない乗り物です。乗り物としては自転車ではなくあくまでも遊具です。タイヤ径もちいさいので、ちょっとした段差にもタイヤがつまづいて転倒可能性もあり夜間走行はとくに危険です。それに夜中に歩道のない道を走行しなければいけなくなった場合、車道の路側帯をキックボードが走っていたらクルマを運転する人もギョッとしますよね。だから交通法規遵守はあたりまえですが、スケジュール的にも安全第一でムリのないスケジュールにしました。初日、二日目ともに約80km進み、最終日は40kmとして早い時間帯にゴールする予定です。
スタート&ゴールは大津港のミシガンクルーズ乗り場前。ここから反時計回りで一周します。
初日は長浜市までの約80km
あいにくスタート前から本降りの雨が降っていました。いたるところに水たまりができていてかなり路面の状況は悪かったです。キックボードで走行していると水が撥ねるので。シューズを濡らさないように長靴を履いてスタートすることにしました。でも長靴を履いてのキックボードは思いの外やりづらかったです。シューズと違って足にフィットせず、長靴の中でぶかぶかと足が遊んでしまうのでキックをしても長靴の中で足が滑ります。だからキックの力が地面を捉えることができずロスがおおくて推進力が弱いんです。さらにシューズの中のアソビが多いせいで足が擦れてすぐに痛くなってきました。
さてコースですが、スタートから南に南下し瀬田唐橋という橋を渡る予定でしたが、土地勘がないのですこし迷いました。自分が思っていたよりも瀬田唐橋が遠くだったのでなかなか橋にたどり着かずに焦りました。瀬田唐橋を渡ってからが本来のスタートのようなものなのに…琵琶湖のデカさを思い知らされました。
琵琶湖はサイクリングのために道がとても整備されています。速いロードは基本的に車道、ゆっくりポタリングをする自転車はより湖岸にちかいところにある自転車道を走ります。自転車道の舗装はよく整備されているのだけれど本降りの雨でいたるところで水たまりができてました。水はけはよくないようです。水たまりの上をキックボードのちいさなタイヤで通過すると水の抵抗で推進力が奪われてしまい、いっきにスピードが落ちてしまいます。
最初はものめずらしくて途中で止まって写真を撮影したりしていたけれど、琵琶湖をまわる自転車道の風景(琵琶湖の東側)はぶっちゃけあまりかわりばえせず、左に湖そして土手と、自転車道しかない景色が延々と続きます。そしてびっくりするくらいコンビニもお店もありません。スタートしてしばらくはおなかも空いてないし、ちょっとでも距離を稼ぎたいと思って進んでいたんですけど、途中で自販機もあまり見かけなくなって脱水気味になってしまった。
自販機もすくないので見つけたときに買っておかないとたいへんな目にあいます。
じつは今回のツーリングは、奥さんがクルマで同行してくれたんです。だからなにかあれば呼べばいい…なんて考えていたんですが、奥さんは観光するのに夢中のようでほとんどコース上には現れてくれませんでした。けっきょく昼ごはんをいっしょに食べた以外は、初日ゴールしたあとの宿で合流するまでは会わずじまいでした。
1日目、風も強くキックボードツーリングには厳しいコンディションでしたが、昼ごはんをたべたあとに長靴から奥さんのクルマに載せてあったランニングシューズに履き替えてからはしっかりとすすめるようになって、時速11~12kmぐらいのペースで進むことができました。長浜までのコースはほぼフラットで走りやすい道です。でも単調でやや退屈。もしかしたら雨でなければもっといい景色に出会えて違った印象になったのかもしれません。
キックボードでロングツーリングをしてはじめてわかったのですが、同じ姿勢でキックを続けていると脚の付け根あたりがすこし筋肉痛というか筋疲労で使い傷めのようなかんじになりました。でもランニングで80km走ることとくらべるとぜんぜんたいしたことありません。キックボードはそんなに汗もかかないしラクチンです。
2日目は近江舞子までの約80km
2日めもあいかわらずの雨模様。今日のコースはかなりアップダウンのある区間もあるので気合を入れないといけません。でも昨日80km進んでいるうちに長時間キックをし続けても疲れづらいフォームを体得することができたので今日はそれを試しながら進むことにします。
大事なのは
- 後ろに大きく蹴り出さない
- 軸足の屈曲を最小限に抑える
- 蹴り足は前輪の横あたりに設置して前からおくる
- 3ストロークごとに軸足を入れ替える
- スピードが落ちないうちは蹴らない
といったこと。キックボードで疲れてくるのは軸足です。キックをするときに軸足を曲げて体重を支えている姿勢が一番疲れます。だから軸足を曲げる角度が深くならないようにすること、曲げている時間を短くすることが疲れないポイントになってきます。
琵琶湖パークウェイあたりのまで進むと天気もすこし回復して湖畔のいい雰囲気が味わえました。ロードでビワイチしているサイクリストとよくすれちがったんですが、対向してきたサイクリストにびっくりした顔で二度見される事多数です。
まぁキックボードが走っているだけでもあやしいのに、それをやってるのが50代のおっさんっていうとこがさらにあやしさ倍増ですよね、わかります。
すこし晴れ間出たりはするんですけどあいかわらず天気は安定しません。1日の走行ノルマが80kmとそこそこしっかり走らないといけないので寄り道をしてみようという気になりません。せっかくだから湖畔の道を離れていろいろと観光すればいいいんですが、きもちに余裕がなくなってしまい、まるでなにかの大会に出てゴールを目指しているかのような心境になってきてしまっています。
はやく今日のゴールに辿り着きたい…そんなネガティブな気持ちが強くなってしまいました。一日の走行予定を長く設定しすぎたせいでスケジュールにゆとりがありません。チャレンジングなことをしたいというきもちは充たすことができていますが、たのしいきもちを持つ余裕がなくなっているのが反省点ですね。けっきょくどこかお店に入って食事をすることもなく、コンビニに立ち寄ったくらいで本日のゴールまで走り続けました。
長時間キックを続けたら脚に痛みが出てくるのはあるていど予想していました。でも意外だったのは手首が痛くなってきたことです。キックボードでは、地面を蹴る動作のときとデッキの上に立っているときの姿勢やがちがうので手首の角度も変わってきます。そして地面を蹴ったあと、デッキの上に乗り込む動作のとき、手にも力が入っているのでしょう。初日もすこし痛みが出ていたけど2日めが終わってから手首の腱にかなり痛みがでてきました。がまんできない程度ではないけれど腱鞘炎的な傷みをかんじます。
ちなみに本日も奥さんはクルマで走ってはいるんですが、今日はムスメも合流してふたりで観光しているようです。なので今日はまったく合流なしです。もちろんノンサポート笑
西側のルートは琵琶湖パークウェイ付近までは自転車道があるんですが、それをすぎたあたりから自転車道のない区間が増えてきました。そういった場所では車道の路側帯を通行するようになります。路側帯は道路の右、左どちらか一方にしかないところも多く、場所もよく左右変わったりしてわかりづらい場所もありますから道路に書かれてあるマーキングに注意しておく必要がります。
白鬚神社手前あたりからは路側帯を通行が多くなりました。キックボードは遊具なので基本は歩道通行です。路側帯を通行するときはまわりの交通状況を確認しながら安全に通行できるときのみの走行にとどめて、狭いところなどはキックボードを押して歩いて通行するようにしました。
最終日はゴールまでの約40km
ビワイチツーリングを計画していた段階では、2日間でビワイチを廻ることも可能かなと考えていたんですが、びわ湖バレイに登ってみたかったので、無理せず3日間の行程としてびわ湖バレイからあまり遠くない宿で一泊することにしていました。最終日はびわ湖バレイに登ったあと約40kmの行程です。もちろんびわ湖バレイはロープウェイで登ります笑
3日目、キックボードでびわ湖バレイのロープウェイ乗り場まで移動。家族と合流してからロープウェイで山頂へ。びわ湖バレイ、想像以上に絶景でした。ロープウェイ代金は高いと思ったけど、この絶景なら納得です。
ロープウェイをおりてきたらふたたび家族とは別れて、キックボードでゴールの大津港をめざします。のこりは40km弱なので今日は気がラクです。最終日のルートは町なかが多く、信号も多くなります。スムーズに距離を稼げないかもしれませんが、残り距離も少ないのでそれほど急ぐ必要はありません。なによりお店も多いので、途中コンビニ立ちよったりマックで昼ごはんを食べたりと、のんびりとゴールを目指します。
ゴールが近づいてきてからはなぜかテンション上がりペースアップ、人ってゴールが見えてきたらがんばれるんですね笑 ラスト5,6キロは、時速15kmくらいでガンガン進んでいけました。
キックボード200kmツーリングをやってみて
今回の旅の相棒にはフレンジーのエアタイヤモデルをえらびました。エアタイヤモデルはころがり抵抗が大きく、一般的なキックボードに採用されているポリタイヤモデルよりスピードが出ないし、ひとケリで進む距離が短くなってしまうという短所があります。ですがそのかわり乗り心地がよく音が静かというメリットがあります。今回は200km、2泊3日という長時間のツーリングなので、音や振動でストレスをかんじないほうがきっと快適なツーリングになると考えてエアタイヤモデルを選びました。これはほんとに大正解でした。
キックボードツーリングにはエアタイヤモデル向いていると思います。てかメーカーもツーリングモデルとして売り出せばいいのに。
エアタイヤモデルの場合、自転車と同じでパンクの心配がついてまわるんですが、すくなくともこの200kmのツーリング中はパンクすることなく走り切れました。じつはこのフレンジーのエアタイヤモデルでもう数回そこそこ長めのツーリングにでかけていますがまだパンクをしたことはありません。よくキックボードのレビューで「購入したけどすぐにパンクしました」みたいなレビューをみるんですけどど、使い方もしくは製品のアタリハズレ的な問題じゃないかと思ってます。
そもそもフレンジーのエアタイヤモデルに関していえばモデル名が「オフロード」ですから、アスファルトよりもさらに過酷な不整地を走ること想定されているわけなので、そうそうかんたんにはパンクしないはずです。
キックボードでツーリングするならエアタイヤモデル、ほんとにおすすめです。
ぼくが今回ツーリングに使ったフレンジーのオフロードモデルを紹介しておきますね。
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