LSDというトレーニングの話

定年男子のひとり言

今日のひとり言

ランニングのトレーニングに「LSD」というものがある。ロング・スロー・ディスタンスの略で、つまり「長い距離をゆっくり走る」というトレーニング方法だ。昔から知られている方法で、血流や心拍に関する理屈もいろいろと語られている。

ゆっくり走ると、血の流れが穏やかになる。速く走ると血流が勢いよく流れすぎて、毛細血管の隅々まで血が回らない。だからゆっくり走るLSDは、毛細血管まで血液が行き渡りやすくなる――そんな説明を聞いたことがある人も多いだろう。

ただ僕は、この「毛細血管まで血が回る」理論には少し懐疑的だ。脂肪燃焼の話もそうで、ゆっくり走ったからといって脂肪燃焼効果が劇的に上がるわけでもないと思っている。

LSDの理屈を考えてみる

たとえば、キロ6分のペースで10キロを1時間走ったとしよう。そのときの心拍数が160だった場合、1分間に160回、60分で9600回心臓が打つことになる。一方で、キロ8分のペースで10キロ走ると80分かかる。心拍数が120だとしたら、120×80=9600回。つまり、心拍の総数は同じになる。

1回の拍動で送られる血液量が同じだとすれば、体に巡る酸素やその他血液に含まれる成分の量も変わらない。そう考えると、ダイエット効果がどちらか一方に偏ることはないはずだ。

ゆっくり走ったほうが脂肪を使いやすいのは確かに事実だが、それは無酸素運動にならない範囲で走っているからだ。速く走るとエネルギー源が糖(グルコース)に偏るので、脂肪が燃えにくくなる。逆に、ゆっくり走ると脂肪を酸化してエネルギーに変える比率が上がる。
だから「LSDは脂肪燃焼に効く」というのは、あくまで“そういう性質の運動だから”というだけの話で、毛細血管うんぬんの理屈は少しナンセンスに感じている。

LSDの本当の目的

結局のところ、LSDだから脂肪が燃焼するということはない。ではなんのためにLSDを行うのか。それは「筋持久力の養成」だと思う。
たとえばキロ8分で20キロ走ると、2時間40分。30キロなら4時間。そうやって何時間も…フルマラソンの目標タイムに近い時間、体を動かすことによって、フルマラソンで最後まで走り切るための筋持久力を鍛えられる。心拍数を抑えつつ長時間動くことで、体へのダメージを減らしながらスタミナをつける、というのが本質だ。

もちろん速いペースで走っても筋持久力は向上する。でも速いペースで4時間走ると、それはもう本番のマラソンと同じ負荷になる。だからLSDは「負担を抑えながら、持久力だけを狙って鍛える」ための練習として意味がある。

ぼくがやっている“ドラ8”

じつはぼくも最近、LSDを取り入れている。キロ8分を目安にしたスロージョグだ。もちろん正確に8分でなくてもいい。7分半から8分くらいで走れればそれでいい。

この「キロ8分」にこだわるのには理由があって、昔練習仲間とやっていた「ハチドラ(8ドラ)」という練習メニューがあった。名前の由来はキロ8分ペースで、ゲームのドラゴンクエストのように少しずつレベルアップして、最後に目標を達成する、そんな意味を込めた練習だ。それを思い出して、また走力を戻していくために始めてみた。

夫婦で走るペース

8分ペースを選んでいる理由がもうひとつある。それはぼくの奥さんがランニング初心者だからだ。僕にとってのキロ6分はジョギングだが、彼女にとっては全力に近い。だから一緒に走ると「ついていけない」「疲れる」となってしまう。

それなら、奥さんに合わせてゆっくり走ればいい。ペースを落とせば一緒に走れるし、話しながらでも楽しめる。そういう「無理せず一緒に走る時間」をつくることの方が、僕には価値がある。

フォームを保つ意識

ただ、キロ8分というのは僕にはかなり遅いペースだ。そのまま気を抜いて走るとフォームが崩れてしまう。だから、あえてフルマラソンと同じフォームを保ちながら走るようにしている。
太ももを少し上げて、腰が落ちないように。足を体の近くに下ろすようにして、前への推進を抑える。足踏み更新のように前に進む距離を調整して、ペースだけを遅くしている。

この走り方は見た目よりもずっときつい。普通にスロージョグをすると心拍数は110くらいだが、フォームを維持して走ると130まで上がる。それでも、心肺に過度な負担はかからないからちょうどいい。

スロージョグのもうひとつの利点

もうひとつ、LSDのいいところは「途中でやめやすい」ことだ。
速いペースで遠くまで行くと、疲れても帰ってくるのが大変だ。歩いて帰ると時間もかかるし、気持ちも切れてしまう。
でもスローペースなら進む距離が短い。気分が乗らなければすぐ折り返せるし、帰りは普通のペースで走ればすぐ家に着く。これが精神的にもすごく楽で、続けやすい理由のひとつでもある。


定年主夫の晩ごはん日記

今日はひさしぶりにカレー。わが家のカレーはビーフカレーではなくてチキンカレー。牛肉ってカレーに入れると固くなってそんなに美味しく思えない。もっと高い肉を変えばちがうのかもしれないんだけれど…。だからわが家はいつもチキンカレー。

サラダは水菜と大根のサラダ。人参とオレンジをトッピング。あとは付け合せに、かぼちゃのサラダとキャロットラペ。このふたつは常備菜でした。

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