もし定年退職後にが意外移住するとしたらどこがいい? そんな夫婦間のヨタ話から候補地として挙がったのがタイのチェンマイ。いちど行ってみようということになっておためし旅行に行ってみました。
定年が近くなると退職後をどうやって過ごすかを考えるようになります。いったん退職後、再雇用で引き続き働くという方も多いようですが、ぼくはいままで数十年過ごしてきた生活パターンとちがう時間を過ごしてみたいという想いがあります。ぼくがやりたいことのひとつが日本中を旅すること、そしてもうひとつ、いままでとまったくちがう環境で生活をしてみたいんです。
とはいってもたいした貯蓄もないのでおカネの問題はシビアです。かりに60歳で退職してしまうと年金受給開始になる65歳まで無給となるので、できるかぎり出費を抑えつつリタイア生活を送ることができる場所が候補地となります。そんななかで候補地として挙がったのがタイのチェンマイでした。
チェンマイ旅行の旅費
チェンマイまでの航空便ですがWEBサービスのスカイスキャナーを使って安い便をさがしました。 料金は税込、燃料サーチャージ仕込み2名分で¥95,788でした。関空発、チェンマイまで往復の料金です。ひとり片道約24000円、安くてびっくりです。
そのかわり航空便はLCC、しかも荷物のオプションすらつけずに、ひとり7kg以内の機内持ち込みの荷物だけです。ザックに入ってるのは着替え3日分とスマホ、カメラぐらい。ふたりで合計14kgまで持ち込み可能だったのですが、荷物を断舎離しすぎてふたり合計で8kgしかありませんでした。
着る服は足りなくなったら洗濯するつもりだったけど、チェンマイはマーケットなどで服が安く買えるので、洗濯がめんどくさいときは一枚50バーツくらいのTシャツを買って着てました。
チェンマイでの宿泊ホテルはこれまたWEBサービスのブッキングコムで探して、ムーンドラゴンホテルというホテルに宿泊しました。今回はダブルの部屋に5泊連泊したのですが料金は5泊で¥21,315でした。もちろん 2人分の料金です。この値段でも、部屋は日本のビジネスホテルなんかよりははるかに広く、もちろんエアコン、シャワー、風呂、冷蔵庫も完備してましたし、毎日の清掃やアメニティの補充もあり、ペットボトルの水も毎日2本しっかり補充されていました。 立地もいいところで、チェンマイの中でも有数の観光名所であるワットチェディルアンのすぐそばですし、小さいながらも プールも完備されたいいホテルでした。この値段なら 大満足です。
チェンマイの物価はどのくらい?
タイの通貨はバーツ。いまのレートはおおよそ1バーツ4円くらいです。円はこの1年ですべての通貨に対して円安が進行しているので、いぜんより割安感はかなり落ちているようですがそれでも日本の物価にくらべるとチェンマイでの物価はおどろくほど安いです。
例えば日本のラーメンによく似たチェンマイの名物料理カオソーイは、一杯50バーツ、高くても60バーツほどで提供しているお店がほとんどです。 日本円にすると約200円から240円ほどになります。カオソーイやチキン、ロティなどの有名店もひととおり食べにいきましたが、どのお店も有名店だからといって価格が高いわけでもなく、安価で美味しい料理を楽しむことができました。
ほかに物価の安い例を挙げると、チェンマイは暑いのでフルーツのスムージーをよく飲んだのですが、日本で販売されているスムージーよりはるかに大きなサイズの容器に入ったフレッシュ100%のスムージーが40バーツから50バーツほどで購入することができます。
ほかにも移動手段として利用したGrabTaxiや乗合タクシーのソンテウなども、日本の交通費とくらべると3分の1程度の料金で利用することができます。
チェンマイの物価は高く見積もっても日本の物価の40%程度、ものによっては3分の1以下だと感じました。
チェンマイ観光と交通手段
チェンマイはタイ第二の都市でタイ北部の中核都市です。日本に例えると古い歴史と伝統・文化を有する京都みたいなところで街中に有名なお寺があります。チェンマイ観光の中心になるのは旧市街と呼ばれるお堀の中の区域で、京都でいうところの洛中洛外の洛中にあたる区域。おおよそ一辺1.6kmほどのお堀に囲まれた正方形のエリアのなかにたくさんの寺院やホテル、お店が軒を並べているので、暑さが苦手でなければ歩いてスポットを巡ることもできます。旧市街の中にはテイクアウトのお店やカフェもたくさんあるので、乗り物を利用せず街歩きをしながら気に入った店を見つけたら立ち寄るというスタイルがたのしかったです。
でも暑さが苦手だったり体力に自信がなければソンテウという乗合タクシーが便利。旧市街の中ならばだいたい30バーツほどで移動できます。市街地を走っているソンテウは手を挙げるなどの合図をすれば停まってくれます。そのときに自分の行きたい場所を口頭もしくはマップを見せるなどして伝えて料金を聞き、オッケーならば乗り込みます。
ソンテウの利用が不安な方はGrabという配車アプリを利用するのもいいかもしれません。Grabアプリではあからじめ目的地をアプリで入力しているのでドライバーに伝える必要がありませんし、料金も事前に提示された金額をクレジット決済するので値段交渉の必要がありません。ぼくたちは基本街歩きをしながら観光して、カオソーイやチキンなどの有名なお店、旧市街から離れた場所や郊外の観光地へ行くときなどにソンテウやGrabを利用していました。
旧市街は1.6km四方の範囲でそれほど広くはないのですが、そのなかには小さな通りがたくさんあってそれぞれお店や寺院があるのですべてを見て回るのはたいへんです。旧市街を囲むお堀の外側にも街が続いているので、歩いて観光をしているとかなりの距離を歩きます。ぼくたちは滞在していた期間中、毎日15km以上歩いたので足にマメができてしまいました。
移住地としてのチェンマイの印象
これはチェンマイにかぎらずタイ全体にいえることかもしれませんが、食事はわりと日本人のクチにあう味付けのものが多く美味しいです。物価は安いし治安は良い。意外といっては失礼かもしれないけどお洒落なカフェもとても多いです。日本の地方都市よりもはるかに活気があるし、交通インフラも充実しています。ソンテウやGrabなどがあり交通の便が良くて日常生活はクルマがなくても生きていけるし、フードデリバリーもすごく便利です。買い物をするお店、外食をする店も多く、リタイアしたあとの居住地としてかなり住みやすい印象でした。
観光客は欧米の方とと中国の方が多い印象でした。あと韓国人も多いですが、日本人は少数派で日本語は通じません。タイの方は日本人と同じく英語がニガテと聞いていましたが、観光客の多いエリア、お店ではどこも英語対応していました。
チェンマイはとてもいい街だったのですが、じゃあここに移住すればなんの不安もなくシアワセかといったら、まだそこまで思いきれないんですよね。
たしかに居心地のよい街ですけど旧市街とよばれるエリアは1辺が約1.6kmの狭いエリア。もちろんそのエリアの外にも街は続いているのですが、中心部から離れるに従って交通の便は下がっていきます。この街に住んだとして、クルマをもってなければ行動範囲が限定的になる気がします。いまぼくは地方都市に住んでいますがクルマのない生活はちょっと考えられません。それを考えるとクルマをもたずにこの狭いエリアの中だけで生きていくのはだんだんと窮屈に感じてくる気がします。
今回はわずか5日間の滞在だったので街のおおよその雰囲気がわかっただけです。長期滞在してこそわかる街の良さや、困ることなど、まだまだ見えていないことも多いと思います。だから定年したのちに、いちど1ヶ月ほどショートステイしてみて、生活する視点でもう一度見てみたいと思います。